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「部長⁉︎ この人たちはいったい……」
部室のドアを開けた私が見たものは、部長を中心に群がる女子生徒たちだった。
まさに無敵のハーレム状態を作り出していた部長は、憎らしいくらい涼しい顔をしていた。
「やあ、田宮くん」
「あの……どういう状況なのか説明していただけませんか?」
女子生徒の中には二年生の先輩もいたので、私は控えめにおずおずと尋ねてみる。するとその女子の一人が私のそばに来て言った。
「田宮さんもお願い! 水上くんを手伝って!」
「手伝うって、何を……?」
まばたきをした私に、部長が真顔で言った。
「この人たちは、俺に媚薬を作って欲しいんだそうだ」
「へえ〜、媚薬……」
ん? 媚薬?
媚薬って……⁉︎
「そう、いわゆる惚れ薬というやつだ」
驚いて言葉を失った私に代わって、部長が余裕の笑みを見せた。
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