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「どうした、田宮くん」
葛藤していると、すぐ近くで部長の声がした。
ハッと気がつけば、キラキラと美しい部長のおねだり顔が目と鼻の先にあった。
「正直に言ってくれ。君は俺のこと……どう思ってる?」
ぶはあああああ!!!!
その瞬間、私の頭の中の葛藤は全て吹き飛び、鼻からの大量出血で倒れてしまいそうになった。
一気に体温が上昇し、湯気が立ち上る。
ひょっとして、時間差で薬が効いてきたのだろうか。
いや、これは多分もともと部長のことが好きだった私の気持ちが爆発しただけなのだろう。
部長が可愛すぎて、可愛すぎて。
もうダメ。この気持ちを抑えることなんて出来ない……っ。
「部長っ」
私は思い切って部長に抱きついた。
「わ、わ、私、ぶ、ぶ、部長のことが、す、す、す……好きですっ!」
「田宮くん……」
ああああ、とうとう言っちゃった、私の気持ち……!
パニックで頭が真っ白になっちゃう。
どうしよう、どうしよう!
すると、私の頭をポンと優しく部長が撫でた。
「ありがとう、田宮くん。嬉しいよ」
ゆっくりと顔を上げると、そこには優しい笑みを浮かべた部長がいた。
嬉しいって、まさか部長……部長も私のことを好きだった……とか?
「ほ、本当ですか?」
「ああ」
部長はほんのりと赤い顔をしながら言った。
「嬉しいよ。まさか俺の作った惚れ薬がこんなにも効くとは」
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