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「羨ましいな、」
そう思った途端その言葉が頭を支配した。
こちらを見た少女の目が「なぜ」と問いかけているようでそのまま言葉を紡いだ。
「だってその間は人に会わないし、なにより姿を現しても人と関わらなきゃ辛い思いもしない」
子ども相手に何を言っているんだろうかとも思ったが、相手は姿を現せる期間が短いだけで俺が産まれる前から存在している。俺より色々なものを見て経験をしているのかもしれない。
「新月になれば死ぬわけでもなく消える」
なんて最高。苦しむことなく、ただ消える。俺が何度願っても出来ないことが数日後、少女の身に起きる。
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