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人間じゃないから。
いやいやいや、人間だろ。どっからどう見ても。もしかして、そういう感じの子なのか?
「私は十五夜」
「十五夜?」
「そう、月の子」
十五夜って、あれじゃなくて?
月の子ってなに。
「十五夜は、満月の夜に生まれて新月の夜に消える」
「消える?」
「そう、消える。私たちには死ぬという概念はない」
信じ難い話ばかりだ。
言っていることは理解できたが、現実味がない。
「、、、消えたらどうなるの」
「また満月の夜に生まれる」
相変わらずの無表情。
「それまでの記憶はない。でも、同じ姿で」
それでも不安そうに見えないのは、ただこの少女が隠すのが上手いのか、はたまたそれに慣れてしまって感じていないからなのか。
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