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次いで消えたのは『泡』。そこから『無個性』『倒錯者』と続く。
ある者は恐れ慄き、ある者は喜び、ある者は己の敗北を罵って。
『合成獣』が、『マザー』に問いかける。
「マザー、念のために確認を。きみはこの電脳空間の支配者だ。
きみは連戦連勝だが…ゲームに仕込みなどはしていないだろうな」
『私に人類を欺く行為は許されておりません』
「ああ、その通りだ。『マザー』」
満足げに、『合成獣』は頷いた。そして彼は次のゲームで賭けに敗れた。
残されたのは『マザー』と『山羊頭』だけである。すっかり寂しくなった円卓で、二人の間に出現したのはチェスボードだった。
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