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駐輪場に着いた時、ポケットにハンディーが入っていることに気がついた。
「あ! あぶねーあぶねー…。また班長に怒られるとこだったぜ」
僕はすぐに現場に戻って、ハンディーを戻しに行くと、まだ現場で例のあの人が一人で片付けの作業をしていたのだ。
「お疲れ様です…」
だが、例のあの人は僕の顔を見ると視線を鋭くして睨んできた。
この頃は特に多かった。
職場の人とは楽しそうにいつも話しているのに、僕の顔を見た時だけ必ずと言っていいほど睨まれる。
僕は「はあ」とため息を吐きながらロッカーの近くを通ると、さっきプレゼントを渡したあの女の子がロッカーの中に入っていく所が視界に入った。
僕は声をかけようとしたが、彼女の顔が険しくなっていることに気がついたからだ。
(どうしたのかな?)
何か事務所でトラブルでもあったのだろうか…。
例のあの人のようにいろいろな人がいる現場だ。事務所で何かいわれたのかもしれない。あるいは、何か嫌がらせを受けたか。
彼女の人当たりの良さは周りが嫉妬するほど、完璧なものだ。
今日の昼も、休憩室で彼女の悪口を言っている人がいたしな。
僕はいろいろ考えたが、結局のところ何もわからず、まあ、明日にでも聞けばいいと思った僕は今日のところは帰ろうと思った。
だが、彼女はその日を境に職場にくることは無くなった。
そして、彼女がいなくなったその翌日、現場は彼女の話題のことで持ち切りだった中、僕は見た。例のあの人が彼女のロッカーを物色しているところを。
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