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「何枚だ」
とりあえず、気になったことの中からひとつだけ私は聞いてみた。
「それ一番に聞く?」
「いいから」
「えっ……えーとぉー百枚くらいかなぁ?」
「ざっとクラス三個から四個分か」
「他の学年の娘からもきてるのかもなぁ~はっはっはぁ~!」
彼は首に手を回した。照れているのか、恥ずかしがっているのか、勝ち誇っているのかよくわからない表情をしている。
このチョコをこの量。金額にして、約七千円といったところか。あまりにも量が多いことから、こいつはひとつの店だけではなく、何軒もの店をハシゴしてこれをそろえたのだろう。そのチョコを私が登校する前の朝早くに下駄箱へ入れた。ギチギチギュウギュウに。
そして、私が登校するタイミングを見計らってこう声をかけた。「おっすー! おはようっ!」と。
「ふっ……ハハハハ」
そこまで想像したところで、私は思わず笑みをこぼした。
「なっ、なに笑ってんだよぉっ!」
彼は顔を赤らめながら私に叫んだ。
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