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「はい、これ。要が気になってたもの」
そう言って渡されたのは、我が校名物の校内新聞の最新号。
この新聞にははっきり言っていい思い出はない。散々ネタにされてきたから。
早速目を通すと、飛び込んできたのは「スクープ面」
「、、、何でしょうかね、このふざけた紙面は」
「''副会長、会計との一夜!?'' ''転入生、早くも生徒会入りか!?'' だって。
さすが彼らは情報が早いね。
これが今日の朝、ばら撒かれていたらしい」
紙を持つ手がぶるぶると震えた。良くも悪くも、人の心を掌握する記事を彼ら書く。
散々ネタにされてきた分、それは痛いほど自覚していた。
しかしながら今回のは大分やばい。どれも否定はできない事実に近いもので、内容も内容だ。
いや、、神崎の生徒会入りってどっから漏れた?
昨日の出来事は、生徒会の極一部と神崎のみが知ることであって、他に関係者がいない限り表に出ることはない筈。となると、、会長か神崎が故意に流した、、?
「この記事はね、新聞部によると昨日の夜、急遽作成したものらしい。
何でも、部長のところに電話がかかってきたとか」
「誰ですか。その電話誰からだったんですか」
「あの生徒会長だよ」
「、、、、やっぱりですか」
あの後、すぐに連絡したみたいだ。それだけ、決意は堅いのか。
じゃあ、、もう本当に俺は用済みってこと?
これじゃあ、副会長辞任の記事が出るのも時間の問題だ。
もういっそ、流れに身を任せてみた方がいいのか、、
「ねぇ要」
「あのバカは、彼のどこにそこまで惹かれたんだと思う?」
そんなの俺が知りたい。
「ここ最近見る限り、二人はいつも一緒だった」
俺が一番知ってるって、そんなの。
「他の役員たちも、、西院悠里以外ね」
うん、そうだった。
「ねぇ要」
「復讐したいと思わない?」
「え、、?」
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