死ねクソがっ

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____________ 「ごめんなさい、もう大丈夫です」 「うん」 あれから、泣いて泣いてようやく落ち着いた俺は悠里から離れた。 ゆっくり体を起こすと、目が合う。優しい、温もりを感じる目 対して俺は真っ赤に腫らした目。 「ふふ」 そんな俺の顔を見て柔らかく悠里は笑う。 待って。恥ずかしい。 今更ではあるが、俺はこいつの前で泣きじゃくったのだ。それも抱きしめられて 一気に羞恥心が襲ってきて、、顔が熱い。 「あは、顔真っ赤。りんごみたい」 「っっ見ないで下さい」 そんな俺の顔を物珍しそうに見つめた後、クスクスと笑いながらからかってくるこいつ 兎に角恥ずかしくて、顔を伏せた。 だから俺は知らない。 悠里が口元を押さえ、耳を赤く染めていたことを。 ____________ 「ところで此処どこですか」 ようやくお互い落ち着き、俺は先程から気になっていたことを聞いた。 俺が寝ていたベットは明らかにダブルサイズ。 部屋は落ち着きのあるデザイン。しかもめちゃくちゃセンスいい 気のせいか、アロマっぽい香りもするような 目覚めた時は保健室かと思ったが、すぐにその可能性は消えるほど、馴染みのない空間。 あ、別に保健室に馴染みがあるわけじゃないから だからこそ、余計此処はどこなのか疑問だった 「あ、此処オレの部屋だよ」 なるほど。 って、は? 確かに、いかにもセンス良さげなこいつ。だから自分の部屋って言われても妙に納得してしまう でも何で。俺は何でこいつの部屋にいるんだろう そんな俺の疑問を汲み取るように悠里がポツリと溢した。 「あのさ、かなちゃん倒れたんだよ仕事のし過ぎで」 「、、知ってます。」 ああそうだ、俺は 「会長にリコールされたんだった、、、」 悠里が息を呑んだ。同時に激しく顔を歪める。 その顔は悲しみと、憎しみを混ぜ合わせたような。何でお前がそんな顔するの? 「、、っ。オレが生徒会室行ったらかなちゃん顔青くて。死んでるかと思って」 「、はい」 「なのに会長は見たこともない奴とイチャイチャしてるし」 「は、い」 「何があったか何も知らなかったけど、かなちゃんを早く助けなきゃって思った」 そうか。 じっとこちらを見つめながら話す悠里にまた泣きそうになった。 「ありがとう」俺の味方でいてくれて。見捨てないでくれて 大丈夫だよ、言い聞かせるように笑って言った。 純粋に隣にいてくれて嬉しかったから。 「うん」 そいつも笑った
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