死ねクソがっ

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「ごほんっ」咳払いひとつ。 静かだったけど何処か心地の良い空間。壊したく無かったけど、それを破ったのは俺だった 「さて、現状確認しませんか」 寝心地のいいベットから立ち上がって、悠里を見据えた。 俺はお前に聞きたいことがたくさんあるんだよ、そう思いを込めて 「そうだね」 しっかりとそう答えたこいつの雰囲気は、ピリッとした緊張を纏っていた。 扉を開けて出て行った。後ろ姿から多分ついてこいという意味だと受け取った俺は 大人しく後ろを着いて行く。 行き先はリビング。見回して思わず目を見張った、いやほんとセンスいいな。 俺自身の部屋の広さと変わらないはずなのに、何かが根本的に違う気がする。 あ、持ち主か 俺とあいつの違い。なんとなく負けた気分 「此処座って」 指されたのは見た目から柔らかそうな椅子。 「はい、これどーぞ」 座ってぼーっとしていたら目の前に紅茶のカップ。いい香り、久しぶりだな悠里の入れたの飲むのは 「ありがとうございます」 懐かしい気分になりながら口をつけた。 「おいしい、、」 「ふふ、そう?ありがと」 ほんとに美味しい。そう口に出すと、目の前に座る悠里は嬉しそうに微笑んだ。 カチャ。 「それで、オレがいない間何があったの?」 俺がカップを置いたのを合図に、真剣な顔で話し出した。 こいつが急に消えた一ヶ月前から今日までを。 「転校生が来たんです」 名前は神咲太郎、外見は一言で言うなら「不潔」だった。 編入試験は満点。どう考えてもおかしいと思った、だから最初俺たちは警戒した。 案内係はジャンケンした結果、負けた俺がいくことに。 案の定、そいつは相当厄介な奴だった。見た目だけでなく、性格も話し方も全てが強烈。 話によると、理事長の甥なんだとか。 ああ。全てを悟った気がした、こいつは間違いなく裏口だなと それからだった、周りの環境が激しく変わったのは。 なんの変化があったのか、メンバーが全く仕事をしなくなった。最低限するように言っても、皆口を開けば、太郎、太郎。 周りが疑問を持たないのも時間の問題だった。 幼い頃から男子校という環境に置かれた彼ら、年頃というのもあり、恋愛対象が男へという生徒も 少なくない。だから、関係で問題が起こることも多々あった。 でも、あくまでも彼らは特別な人間であって馬鹿ではない。、、と信じたい 生徒会の仕事が滞っている、それが知れたら一気に疑惑の目が寄せられるだろう。 しかもその原因は一人の転入生。 何が起こるかすぐに想像が着いた。 だから、どうにか、どうにかしなければならない。せめて俺だけでもやらないと できる限り、自分の時間は仕事に回した。授業も最低限出ながら。 多分、風紀の何人か、生徒の何人かは気づいているんじゃないかと思う、今の現状に それで、その結果がこれだ。 「私の努力はなんだったんでしょう、、」 ポロッと口から出た。思えば思うほど、惨めになる 「そっか」 「かなちゃん、頑張ったね。一人にしてごめんね」 温かい手が頭に乗った。 「あなた、一体どこにいたんですか、、」 「あのさ、、会長から聞いてないの?一時期海外に行くって。  オレ、急だったし、しばらく連絡取れなさそうだったから  会長にはみんなに伝えといてって言ったんだけど、、」 は?
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