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『やっぱりそっちが素なの?』
どーゆう意味だろうか。
悠里の言葉が頭も中で繰り返される、ポカンとした顔でにこやかに微笑む男を見つめた。
「、、どうゆう意味でしょうか」
「前から思ってたんだよね。かなちゃんは何か隠してるって」
知ってる?かなちゃんって結構顔に出るんだよ?なんて、サラッと衝撃的な事を。
つまり、、俺の必死な猫被りは完璧では無かったと。
恥ずかしいんだけど、、
「じゃあ、私の、、その、、「猫被り?まあ上手かったと思うよ。一緒に居なかったら分かんないと思うし」、、、、そうですか、、」
自信無くすなぁ、渾身の演技だったのに、、
大分落ち込みながら、冷めた紅茶を一口飲んだ。
「そっか、、バレたならしょうがないな、、」
ポツリと溢した。まるで自分に言い聞かせるように。
それでも、何処か安心した。重荷が一気に消えていったみたいで
俺はもう悠里の前では素を出していいんだって。
多分だけど、俺は心の中で気づかれる事を待っていたのかもしれない。
「かなちゃん」
「、、何」
不意に名を呼ばれ、前を向いた。
「我慢してた事いっぱいあるんじゃないの?言っていいんだよ、もう我慢する必要ないから」
そんな優しい顔で言われたら、溢れてきてしまう
「聞いてくれんの?」
「もちろん」
何か吹っ切れた気がする。
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