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「それ。どこで分かった?」
焦る自分の気持ちをごまかすように訊くと
「彼女が現れたとたん、私のことを見向きもせずに、それまで見せたこともないような幸せそうな顔と声で話してた。その時にピーンと来たわ」
礼がエントランス近くでのやり取りを思い出しながら、うふふと笑った。
(あ、笑ってくれた……)
礼に笑顔が戻るのは、正直嬉しい。
嬉しいが
(将之やクロードにも、似たようなこと言われたな)
分かりやすい反応示している自分に
(他にも誰かに気づかれているのだろうか……。なんか、恥ずかしいな)
礼の笑顔の眩しさと、気恥ずかしさで知己は目を反らした。
「ふふ……」
そんな知己の傍に寄ると、礼は嬉しそうにきゅっと腕を組んだ。
「ロボット工学専攻のこと、いい夢って言ってくれてアリガト」
「あ、あぁ」
知己は中途半端な返事をして、礼と共に甲冑に視線を移した。
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