夏休みが来た 12

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「告白は、礼ちゃんにだよ」  礼の目をまっすぐに見つめて、言う。 「ええええええ?!」 「俺、好きなんだ」 「ええええええええええええええええええええええええええ?!」  礼が真っ赤になって、膝の枕を持ち上げると、あらん限りの力でぎゅうと抱きしめた。 「ちょ、それ、待っ……! 心の準備が! きゃあぁぁ」  思ったよりも礼に喜んでもらえているような気がする。 (そうだよな。一昨日の夜に、礼ちゃんは将之の幸せも願ってくれてたし。  良かった……。思い切って言って良かった……)  知己は、照れくささと恥ずかしさにたどたどしく、だけど礼に分かってほしくて真剣に言葉を紡いだ。 「会って、……その、出会いは思い出したくもないくらい最悪だったけど。でも一緒に居たら楽しくて……。いつの間にか、かけがえのない人になっていたと気付いた。それで、ずっと一緒に居たくなって、俺が頼んで……。  結果、今も一緒に居るわけなんだけど」 「ちょ、待っ! ちょ、待っ! ちょ、待っ! ちょ、待ぁっ!!!」  礼が「ちょま、ちょま」を繰り返しつつ、ぎゅぎゅぎゅぎゅ~っと興奮した細腕で枕を締めあげる。  枕が破裂寸前なのが気になったが、 「俺、本当に将之が好きなんだ」  と知己は言い切った。 「ちょ、待ぁ……………………………は?」  そこで礼が知己を見つめたまま固まった。  おかげで、枕は助かった。
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