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将之は知己の膝を胸に着くほどに深くゆっくりと折り曲げる。
「ん……」
自然と肩甲骨と肩の部分だけがマットに沈み、腰から緩やかに浮いた姿勢になった。
そこでベッドマットと知己の間に、将之は自分の足を差し入れた。
たやすく腰を下ろせないように固定されると、知己の頬にかぁっと朱が挿した。
「あんま、……見んな……」
真昼間に寝室に連れ込まれ、今、自分が将之にどんな姿を晒しているか。こんな屈辱的なポーズを取らされても、甘んじて受け入れてしまう。知己は羞恥を感じるだけでなく、期待している自分を持て余し、つい否定の言葉を罵るように吐いてしまう。
「今更ですね。何回、ここ見せたと思ってんですか?」
「分かってるけど……、あっ……!」
将之は、晒された男を受け入れる部分に指を這わせ、軽く押し広げる。
「んんんっ……!」
乾いたそこは、当然、肉の弾力で将之の指を押し返した。
「将之。も、早く……」
触られると、猶更、そこを余すことなく晒しているのだと思い知らされる。将之の眼下に晒される行為の終わりを求めて知己は急かしたが、将之の方は
「嬉しいことを言ってくれますね」
何か勘違いしたようだ。
将之は、ナイトテーブルの引き出しからローションを取り出した。
「先輩も余裕ないみたいだし、早々に準備させてもらいますよ」
ローションを指にまとわせると、すかさずさっきまで頑なだった部分に押し当てた。
こうなるともはや抵抗できない。
「ん……、ぅ……」
2年もの同居のおかげで身に染みた慣れた行為は、こんな時どうすれば苦しさを軽減できるのかを知っていた。
「ふ……う、ぅ……っ」
指の動きに合わせて、呼吸で圧迫感を逃していた。
今度は慎ましやかに開き、そこは将之の指を緩やかに、だけど少しずつ確実に飲み込み始めた。
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