文化祭バトル勃発 3

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「これもちょっと着てみませんか?」  クロードは、知己が見たこともない女性用下着を取り出した。 「な?!」  生々しい下着に知己が真っ赤になる。  ブラの下の部分に伸縮性に富む布地が長くついていて、下腹部まで覆える作りだ。バストとお腹あたりにワイヤーが入っていて、着たら自然と美しいプロポーションが手に入る。  卿子の方は平然として 「わあ、本格的。これも借りてきたんですか?」  とクロードに尋ねた。 (とことんMs.坪根は、知己を異性として見れないんだな。知己、お気の毒……)  卿子の反応に知己を憐れみつつ、クロードは頷いた。 「な、何なんですか? これは……」  怯えたように知己が卿子に訊く。 「ボディシェーパーですよ。体を絞めて腰のくびれを作ります」 「絞め……っ?」  その言葉を聞き、知己にはその下着が、まるでアイアンメイデンか何かの拷問器具に見えてきた。 「な……なんというか……俺は男だから、なんぼ絞めても腰にくびれなんか作れないと思うんですが……」  なんとかやんわりと断りを入れたい知己だったが 「そうですかぁ。意外とこれ、優れものですよ」  と卿子は食い下がった。  もはや言葉もなく、知己はぶんぶんと音が出そうなほど首を横に振った。 「体型が分かりにくい服ではあるけど、せっかくの女装なんだから、少しはくびれもあった方がいいと思うんで、私は着用を勧めます。これで勝利は目前」  妙に自信たっぷりに卿子が言う。 「いや、本当に無理。こんなの着れません。そもそもどうやって着るかも分かりませんし」  知己は一生懸命断る理由を探したが 「お教えますよ。私もクロード先生も、着るのを手伝います」  卿子はあっさりと言った。  持ってきたくらいだから、多分、クロードも着方は分かると思ってのことだろう。 (これを……着る……?)  理科準備室で着用する姿を想像してみた。  卿子に手伝ってもらっても、クロードに手伝ってもらっても、地獄絵図しか思い浮かばない。
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