文化祭バトル勃発 4

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「俊也が? 元気ないのか? 病気か?」  知己も心配になって訊く。  先ほども、何やら溜息を吐いていたし、俊也の体調が気になる。 「んー、逆。元気良すぎ。去年も『文化祭、たりぃ、面倒』って言ってたくせに、今年は一週間前くらいから急に『ラノさんが来てくれる』ってやたらと張り切ってポスター掲示板も手伝ってくれたし、景品のアイディアも出してくれたし。一番面倒な投票用紙の仕事も請け負ってくれたし。とにかく、めちゃくちゃ働いているんだ。正直、気味が悪いよ」 「うーん……俺は心当たりないが。ラノさんって誰だ?」 「知ってたら、先生に訊かないよ」 「それもそうか」 「じゃあ、俊ちゃん。内申点欲しさかな?」  文化祭も出席日数に換算される。  それ以上に大きいのが、貢献すれば「委員会活動・奉仕活動」としてその働きを認められるのだ。  侮るなかれ。同じ成績の者であればこの内申点が考慮され、学校推薦を受けられるとあり、AO受験を狙う学生はここぞとばかりに励む姿がみられた。 「それも俊也らしくないな」  だったら、去年の文化祭から頑張っても良さそうだ。  俊也は去年の文化祭の時にお客が男だらけでやる気をなくし、店番のほとんどを章達クラスメートに任せている。 「何だろうねー?」  さすがに章でも分からず、二人で首を捻っている頃 「でーきたー!」  敦の喜ぶ声が聞こえた。  合計10枚の参加者全員のポスターを貼った掲示板が完成したらしい。  出来上がったばかりの掲示板を体育館前に設置しようと、敦がクラスメートを先導していた。  敦の楽しそうに教室を出て行く姿を、章と知己は見送った。
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