文化祭バトル勃発 5

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文化祭バトル勃発 5

 翌日は文化祭二日目。土曜日である。  休業土曜日ということもあり、生徒たちの保護者らしき人物と思われる外部からも訪問者が多かった。 【AM10:00】  文化祭は9時からスタートしていた。  既に1時間が経とうとしていた。 「なんか、今年は多くねーか?」  昨日は金曜だったのでそうまで感じなかったが、今日の人の多さは尋常ではない。普段の10倍くらいの人数がいるような気がした。  体育館前には敦達が昨日作成した掲示板がデカデカと立てられている。  その前に長机を1台出して、投票用紙を配布していた。  通常なら美味しそうな出店に立ち寄るのだが、今年はミスコンショーが始まる11時まで配布される投票用紙を求めて、人が集まっていた。その為、俊也他5名の投票係は、朝からずっとその対応に忙しそうだ。 「俊ちゃん、手伝うよ」  体育館の中から章がやってきた。 「いいのか?」 「ミスコン自体にはまだ時間あるし」  章はミスコンの司会も担当していた。  仕事分担のクラス会議で本人が司会に立候補したのもあるが、それに対して満場一致の役割だった。 「ショーの流れは頭に入れちゃったし、時間になったら中に入れば間に合うから。それまでは投票用紙配布を手伝うよ」 「なんだか思ったよりも、いっぱい要るみたいだな」  俊也は自分のすぐ横で「お一人様1枚っすー。よろしくおなしゃーす」と投票用紙を配るクラスメートの舌足らずな喋りに目をやりながら答えた。 「必要なら、作ってくる?」 「そうだな。もう少し作り足しておくか」  そういうと俊也は配布係にではなく 「おーい、誰か手が空いているヤツ。印刷室に来てくれ」  体育館の中でミスコンスタッフとして働いている者に声をかけた。 「いいよー。俊也、俺する」 「俺にもハンコ押させて」 「おう、いいぜ。印刷したら、ここに持ってこい。角落としもここでしよう」 「任せろー」 「じゃあ、作業台で長机をもう1個調達してくるよ」 「頼む。助かる」  実は司会と会場警備以外は、ほとんど仕事がなくなった。  ミスコン計画当初は、音響や照明なども2-3スタッフでやると言ってたのだが、クラスで代表1名が出ることになった。それでそのクラスのメンバーが参加者をサポートするのがやりやすいと、変更になったのだ。  だから体育館待機として2-3スタッフがいたが、暇を持て余している状態だった。
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