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「ふむふむ。5分間のアピールタイムの後に12時に投票。14時締切で開票&集計作業。結果発表は15時……。
なんか慶秀大のミスコンにやり方似てない?」
ミスコンのタイムテーブルを見て、美羽が指摘した。
「お前、あのミスコンの特番組んだの誰だと思ってんだ?」
門脇の隣に陣どる美羽が気に入らないのだろう。敦が凄む。
「協賛は、梅ノ木グループでしたー!」
隣では章がふざけていた。
「ふーん。パクったんだ?」
どんなに凄んでも、所詮は年下の可愛い子ちゃん。美羽は全く気にしていない。
「参考にさせてもらったに過ぎない」
敦も一切悪びれることなく答えた。
「そろそろ行きましょう。知己。準備の時間がなくなりますよ」
クロードが時計を見て、急かした。
「あ、うん。じゃあ、またな。門脇」
門脇が軽く手をあげて
「おう💓」
と返事をする。
なんか「おう」の返事の後に、見えてはいけないものが見えた気がしたが、とりあえず知己は体育館裏の講堂・参加者控室に向かった。
「敦は、まだいいのか?」
俊也が訊くと
「俺の出番は最後だもん。もう少し居られる」
と言いつつも、敦はどうしても門脇に熱い視線を向けてしまう。
門脇は敦にとっても憧れの人だ。
少しでも一緒に居たい。
「先生の出番は、5番目だもんねー。あ、こちら、投票用紙でーす」
章が美羽たちに投票用紙を配った。
(最初や最後だと印象に残りがち、真ん中くらいが一番印象に残らない敦ちゃんのせこい作戦なんだよね。しかも先生の出来栄えが良かった場合、6番目7番目には影響出そうだから、自分は一番最後にしたんだよね)
「ふうん。一人一枚なのね。すごっ、徹底しているわね」
「不正はダメですから。はい、蓮様も」
章が門脇に投票用紙を配った。
「おう、サンキュ」
心なしかご機嫌な門脇だ。
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