文化祭バトル勃発 6

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「エントリーナンバー1番。3年2組、三浦海斗君」  うおぉぉぉぉぉぉぉぉ……。  体育館の一部で、より一層の野太い声が上がった。  おそらく3年2組のクラスメートからの声援なのだろうが、3年生故に声が低い。何やら地を這うような低音の響きだ。  現れた三浦は細身で長身だった。おそらく、その細身を買われてのクラス代表エントリーなのだろう。  肩につかない長さの金髪巻き毛のウィッグに、真っ赤な口紅がやたら強調したメイク。首に回した一枚布でv字状に胸だけを隠した大胆な背中開きの白いワンピース。腰をぐるぐると同じ白い布で巻いてしめている。ふわふわの膝下20㎝のやや長めのスカートを翻し、同じく白いハイヒールのミュールでステージをカツカツと音を立てて歩く。  あれだけの高さのハイヒールで歩くのは、かなり大変かと思われたが、その辺は練習をしてきたのだろう。  意外にも三浦は軽やかに歩いてみせた。  ステージを大きく使い、右へ左へ歩きながら、フロアの観客に手を振って野太い声援に応えている。  その三浦が、突然、ステージ中央で止まった。 (何だろ?)  知己が見ていると、三浦の止まったタイミングに合わせ音響係が 「ゴォォォォォォォォォ」  という地下鉄の効果音を流した。  同時にステージ下のサポートスタッフが、サーキュレーターのスイッチをオンにした。  三浦の白いふわっふわのスカートは、サーキュレーターの風を受けて、ぶわぁっと勢いよく捲れ上がった。 「わーぉ!」  スカートを押さえる三浦の何故だか分からないが、心底嬉しそうな声。 (……見せられたこっちが、「わーお」だよ)  知己は舞台袖からげんなりしながらツッコミを入れたが、なぜか現れた黒々とした脛毛の渦に、会場は爆笑だった。 「あははははは! マジ受ける! 三浦マリリン君の【7年目の浮気】でしたー!」  章の爆笑しながらのコメントに、知己は (こいつ、なんで元ネタが分かるんだ?)  と驚きの視線を向けた。
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