★悪名高き 八旗高校 4

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 ちょっとふざけただけの、いやがらせのつもりだった。  自分達ならそう言い訳ができる。  これまでもそうしてきたのに、なんだろう。なんだかとてもイケナイことをしている気持ちになっている。  知己の方はというと、抵抗もできずに脱がされておきながらどこか冷静だった。  よくも悪くも……少なくとも4人の男に脱がされた残念な過去がある所為だろうか?  そして思いのほか冷静だったがために 「前の理科担……?」  俊也の言葉に違和感を覚えて、思わず聞き返していた。  明らかに(しまった)と動揺する俊也と、彼を睨み付ける章に 「お前ら、前の理科担にもこんなふざけたことを?」  と聞いた。 「……そんな格好で言われても、怖くないよ」  軽く受け流そうと章は毒づいていたのに、知己があまりにもしつこく 「一体、何がしたいんだ? どうして、こんなことを?」  などと聞いてくるものだから 「あんた、うるさいし面倒なんだよ。もう、特別教室棟に来るな!」  章がキレた様子で答えていた。 「化学の授業なんて、教室でできるだろ!? わざわざここ使う意味が分かんねーし!」  まくし立てる章とは逆に知己は完全に冷静さを取り戻した。 「いや、科学の実験行うための特別教室棟だろ? 使わなきゃ意味がない」 「俺たちが使ってやってるから、その心配はいらねーよ」  俊也が答えると 「あぁ……お前たちの秘密基地的な何か?」  高校生にもなって、小学生の遊びみたいなことしているんだな……みたいな視線を感じ 「マジ……いちいちむかつく、こいつ」  またもや章が怒り始めた。 「……もしかして、お前……」  知己は少し考えて 「代議士の息子か?」  唐突に謎の質問を投げかけた。
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