文化祭の余波 2

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 知己が呆れていると 「あーんな低レベルな問題、勉強しなくても分かるよね?」  章までも悪態をつき始めた。 「その低レベルな問題で1学期に赤点取ったの、誰だよ……」  思わず知己が突っ込むと 「僕、一回でいいから強制補講になりたかったんだ。俊ちゃんみたいにナチュラルに強制補講になれないのが悔しいんだよねー」  余計な一言を交えて章が言う。 (俊也が聞いたら、軽く怒り狂う発言だな) 「そういや、俊也は?」  今日も俊也は理科室に訪れてはいない。 「まだ、ラノさんショックから抜け出してないみたい」 「偽装教師め、いたいけな青少年を弄びやがって」 (また変な肩書が増えた……)  というか、知己は正真正銘の教師であり「偽装教師」などではない。  もはや言いがかりレベルだ。 「それは、俺もあずかり知らぬ所の話だし」 「俊ちゃん、ね。毎夜、ラノさんが夢に出るって言ってたよ」 「そんなに……か」  なぜそうなったのかは全く分からないが、こうも姿を見せないと、知己もかなり気になっている。 「なんでも襟元着崩したラノさんに、がっつり迫られる夢だって」 「おい。一体、どんな夢なんだ?」  青ざめて訊く。 (確かに、あの時俊也と会ったのは理科室前廊下)  卿子に剝かれかけて、そんな乱れた姿で会ってしまったが。 「男のロマンだな」 「確かに少年だよね」  高2男子の赤裸々な会話に 「やめろ」  思わず知己は耳を塞いだ。
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