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「じゃあ、今の話を整理しますね」
ソファに深く座り尚して、将之がこれまでの話を思い出しながら知己に確認し始めた。
「お昼ご飯食べた後に、三人から初詣に誘われた。で、誘われるままに恋愛の神様にお参りしちゃった……と」
知己は「今度は、大体合ってる」と深く頷いた。
「DK三人に、なんか意図はあったんでしょうか?」
「さあ。ないんじゃないかな? うちの近所に来るって言われたから断ったんだ。そうしたら、あいつらの家の近くの神社になった。それだけの話だし」
「怪しいな」
「そうか?」
「先輩、男にだけは異常にモテるから。しかもノーガードだし。両手ブラリだし」
将之の言っていることの半分は意味が分からないが、途中から絶対にいいことは言ってないのだけは分かった。
恋愛成就の神社に誘われた真意は、知己情報では分からないと判断し、とりあえず将之は
「真実はひとつ……」
と、もう一回決めセリフを言った。
「外しまくったくせに」
「うーん。ミステリーは難しいですね」
(最近、読んでる本はミステリーか……)
なんとなく納得しつつ
「将之が勝手に難しくしたんじゃないか」
と知己が言うと
「事実は小説より奇なり……ですよ。もしくは、先輩に関してかなり主観が入るので、外しまくりました」
悪びれずに将之は答えた。
きっと「悪意」という名の主観だろうと知己は思った。
「想定の範囲内ではあったんですけどね。新しい学校でも、生徒の一人や二人に懐かれているんだろうとは思ってました。まさかあんなハーレム状態だとは。二股ならぬ三つ股ですか。トライデントですか? ポセイドンも驚きのタラシっぷりですね」
これも途中から見失ったが、後半の悪意だけは伝わった。
「ちょっと、待て」
昨今の携帯会社よろしく言いたい放題の話したい放題の将之にストップをかけるが
「待ちません。普通、DK連れて男同士4人で恋愛の神様にお参り行きますか? 一体、あの中の誰とハピエンをお願いしたんですか? 本命は、どの子ですか? つり目の背の高い子? 可愛いメガネっ子ですか? いや、何かと先輩に話しかけてた美少年! あの子が一番怪しい! 一番先輩と喋ってた!」
どんだけ見てたんだよ……な発言が続く。
将之の見立てでは、吹山章が一番怪しいらしい。
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