知己を自由にしていい一日 4

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「な、何を買ってる、んだろ……?」  ギクシャクした不自然な笑顔で敦は顔を赤らめ、白々しくライオに訊いた。 「会話から察するに『ローション』……かな?」 「やっぱり?!」  ライオに否定されたかったのだろうが、臆面もなくそう答えられて泣きそうになっている。それと同時にライオの人選に感謝した。 (俊也だったから良かったけど、俺だったら踏み込まずには居られなかった!) 「うぅぅ、ライオさぁん! ローションとか何? まじ、泣く!」  思わず敦がライオに泣きつくと、ちょうど俊也がドラッグストアから戻って 「なあ。ローションって何に使うの?」  と呑気に訊いた。 「……君が18歳になったら教えることにしよう」  思わず抱きついた敦の背を優しく撫でながらライオが言うと (さっき、十分凄いこと教えたくせに。そこは教えないんだ)  と敦は思った。
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