知己を自由にしていい一日 4

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「よし! あの二人の間に乗り込もう!」  最後は、ただの力技だった。 「「……それだ!」」  何の捻りもない荒業に、俊也と敦は藁をも掴む思いですがった。 「敦君、俊也君! 偶然を装って邪魔をするんだ!」 「「了解!」」  おもむろに敦が、わしっと猛禽類が獲物を掴むかのようにライオの腕をとった。 「行こう、ライオさん! 三人で突撃だ!」 「……え? 僕?」 (……僕が先輩と顔を合わすの、まずくない?)  途中でさすがにやばいと気付いて18禁ワードをあれでもできるだけセーブしたつもりだが、時すでに遅し。  美少女少年メガネっ子・敦は分かり過ぎるほど分かっているようだけど、つり目君の俊也は、開けるにはまだ早い扉をいくつかこじ開けてしまった気がする。  こんなことしたのが、知己にばれたら大変だ。 (というか、そもそも先輩が18禁行為しようとしているのが悪いんだけど)  かといって、自分が不利な状況に追い込まれたくはない。 「あ、ごめん。僕は、ちょっと……」  と二人に任せようとしたが、テンパった敦には、この期に及んでヒヨったようにしか聞こえなかった。 「何、言ってんですか!『突撃も みんなですれば 怖くない!』  行きますよー!」  ダメな交通標語みたいなことを言って、敦はライオの腕を掴んだままホテル前の二人に突撃をかました。
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