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「わぁっ……!?」
不意に将之が手を離した。
数々の仕打ちにすっかり腰砕けになっていた知己は、重力に抗えずにそのまま前方のベッドにボスンと倒れ込んだ。
「……おい、こら。急に離すな」
手を前に出していた姫抱っこポーズのおかげで、なんとか受け身は取れたものの、顔までベッドに埋もれてしまった。
知己が布団にまみれながら文句を言う。
昼間は章を抱っこしていたから、章のお腹に顔を伏せてしまった。奇しくも同じポーズだ。
「お子様との御戯れは大体わかったので……今からは、大人の時間です」
高々と上がった知己の腰から、スェットズボンを下着と一緒にずるりと引き下げた。
「……っ!?」
知己が驚いて起き上がる前に、将之が知己の背中を押さえつけてそうはさせなかった。
「おい!?」
依然、高く掲げたままのむき出しの知己の後ろに
「俊也君はローションの使い方を理解したでしょうか?」
と言いながら、ナイトボードからローションを取り出して垂らした。
「ちょ! お前、急に……ぁっ……」
冷たいローションの刺激が後ろに落ちる。
知己が顔を後ろに捻って咎めるも、将之は止まらなかった。
「使えばいいってもんじゃないですよね。こうして、ちゃんと慣らさないといけないなども知っているでしょうか」
ローションの潤いを借りて、ぬるりと差し込む指は二本だった。
いきなりだったが、哀しくも慣れた行為。性急と思われた太さだったが、そこは痛みを伴わずに、すんなりと受け入れた。
「あっ! ぃ、ぃぁっ……」
だけど、知己の気持ちの方はまだついて行かない。
いきなり体の内側を侵食される感覚に、血が激しい勢いで体内を巡った。
「あの子に蹂躙されたら……………………………………………………先輩、可哀そう」
勝手に想像して、勝手に憐れんでいる。
そして自分は違うと言わんばかりに、そこに指を慣れさせるために抽送し始めた。
「……っ!」
急すぎる展開に知己が慌てた。
「……うぁ……っ! お前……っ、何を、想像している……っ?」
将之を咎めるように訊いたが、それに答えずに
「絶対に、やめといた方がいいですよ」
忠告をしながらも、将之は抽送を繰り返した。
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