★俊也の学習の成果 2

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「言っておきますが、僕はちゃんと考えてますよ」 (……よからぬことしか考えてないくせに……!)  今だって勝手な妄想で勝手に怒って、その所為で知己は先ほどから屈辱的にいいように扱われている。  顔の前の布団をひっつかんで押し付け、知己が声を殺していると  「う、ぁあぁぁ……っ?!」  将之の指が、不意に知己の感じる内部をまさぐった。 「僕は勢いだけじゃなく、ちゃんと先輩も気持ちよくなれるようにしてますから」 (……心、読まれた?!)  絶妙なタイミングだった。 「ここ、好きですよね? ほら、ね。僕は俊也君とは全然違いますよ」  ことさら丁寧に撫でまわされ、 「ぅ……、ふ、……ぅぅ……っ」 (こいつ、殴りてぇぇぇ……!)  眉間に皺を寄せて、知己は細く息を吐いた。  十分に受け入れる準備は整ったと思われた。 「さて、そろそろいいかな?」  将之が指を抜き、散々な愛撫の末にガクガクに揺れる知己の腰に手を添える。 「えっ……、待……っ!」  知己は焦り、顔を捻って荒い息で抗議した。 「まさか……このまま、する気か?」 「しますよ」  当然だと言わんばかりの態度に 「……嫌だ」  ぼそぼそと伝える。 「ああ。そうでしたね。後ろからされちゃうと顔が見えないから嫌だって言ってましたね」 「……そう……だ」 「顔見えないと、俊也君としてるって勘違いしちゃうから嫌なのかな?」  また意地の悪い言い方をする。 (だからお前は「意地悪Master」と呼ばれるんだ……!)  布団の隙間から睨み付けてた。 「違う……けど……やっぱり、俺がこういうことをするのは……将之だけだって、確認したいじゃないか……」  やっぱりぼそぼそと話すと 「今のは、ちょっと可愛かったです……」  将之が、やっと嬉しそうな顔をした。  ころんっと知己の体を横倒しにして、そのまま仰向けに変えた。 「あれ? あんなに良さそうにしてたのに、まだイッてなかったんだ」  知己の昂ぶりを確認して、将之が不満そうに言った。  あれだけ後ろを弄ったのにも関わらず、知己の先端は濡れてはいたものの達してはいなかった。 「あんなにしたのに……」 (てっきり、二度はイったと思ってたのに) 「……あんま、見んな」  不躾な視線に、知己は顔に片腕をかぶせて隠した。
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