★俊也の学習の成果 2

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「僕……、もしかして下手になってますか?」  そんなにしょぼくれることかと思うくらいに、将之はへこんでいた。  先ほど「気持ちよくさせる」と言った手前もあるだろう。  言いたくなかったが、あまりの将之の落ち込みように 「……違う。俺が……我慢した」  と知己は本音を漏らした。 「え?」 「……お前が俊也を装ってたから。それじゃイけない……だろ?」 「……先輩……」  腕で隠していても分かるくらい至極嫌そうな顔をする知己に、突如、将之が覆いかぶさった。 「やっぱり先輩、変な所で可愛い……!」  知己から見えない後ろで俊也装う指には達さず、自分(将之)に操を立ててくれたのだと察した。 「それ、褒めてない……」  知己は、ご機嫌の振れ幅大きい年下の面倒な恋人にうんざりとして答えた。 「先輩、大好きですよ」  将之は知己の後ろに熱い昂ぶりを押し付けた。 「ん……っ」  知己は将之の肩に腕を回し、力の入らない腰をなんとか少しばかり浮かして、それを迎え入れた。  くちっというわずかな水音が聞こえた後に、それは入ってきた。 「あ……っ、は……、っ……んぅ……」  どんなに解しても指よりも太く質量あるものを隘路に受け入れるのは苦しさを伴う。 「やっぱり、さっきの姿勢の方が良かったんじゃ……」  後ろから覆いかぶさる形が、受け入れやすいはずだ。  知己は嫌がるが、もとの姿勢に戻そうと将之は言った。 「ぅ、るさ……、これが、ぃ……」 「だって、辛そう……。僕も深く交わりたいし」 「うるさい。深けりゃ、……ぃんだろ……っ?」  知己は将之の腰に自らの足を回してしがみついてみせた。  すると将之の腰がぐんっと奥に進み入ることができた。  更に奥まで入ってきた感覚に 「あぁ、ぅっ……!」  知己が眉を寄せるが、決して嫌がっていない。むしろ、恍惚の表情であった。 (これは、もしや……「だいしゅきホールド」というヤツでは……!?)  しがみついた将之の耳元で、知己が照れくさそうにボソボソと囁く。 「将之……。俺だって……な」  きっと、さっきの仕返しだ。  言われっぱなしされっぱなしなのは、癪に障る。 「す……、好き……なんだから……な……」  散々弄るだけ勢いだけだのと童貞のことをディスっていた将之だったが、こんな積極的に転じた知己に 「あ、将之……っ! 待っ、……それ、激しっ……! うぁっ……!?」  加減を忘れて、激しく腰を打ち据えるのだった。           ―了―
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