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案の定、首謀者らしき男子がいた。冷静に観察していると分かったのだが、知己が指名すると、首謀者に合わせるために、彼らは、あくまでもそれとなくだが、首謀者に視線を集めていた。
知己が指名した途端、首謀者が書いてたノートをバサッと床に落とし、周りの者もそれに倣ってノートを落とした。
それで知己は
(見つけた!)
内心ガッツポーズで、
「教科書23ページを……三浦。読んで」
と首謀者を指名した。
一瞬、ざわついたものの、その後は水を打ったように理科室は静まりかえった。そして一斉嫌がらせは起きず、それからの残りの授業時間でも嫌がらせは起きなかった。
(やった! 終わった! やっと嫌がらせから解放だ!)
改めて知己は思い出す。
(そういやクロードは「quake」と言ってたっけ)
これは「震源地」を探すゲームだったのだ。
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