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『あの雰囲気だと、服は着てたが
もしかしたら服越しに亀頭撫でくらいしてたかも』
(亀頭撫で!?)
これも(ヤりそう!)としか浮かばなかった。
よく考えたら、不純同性交遊が厳しく罰せられると確認したのは敦と俊也とライオだけの間のこと。あの場に章は居なかった。
(ことの重大さを理解せずに……、いや理解したとしても章なら面白半分にヤりかねない)
章は善悪の判断基準は緩い。
(大体、章は昔からそうだ。
ルールや周りからヤっちゃいけないと言われるから「しない」なんて考えはない。気が乗らないから「しない」。面白そうだから「する」)
更に俊也が追い打ちをかけた。
『いい加減なことは言ってないぞ』
俊也は、LIN〇メールで見たこと感じたことをそのまま伝えた。
『ちゃんと理由もある。
俺が来た時は、時間も時間だったんですぐに帰った。
でも帰る前に章がトイレに寄りたいと言ったんだ。
トイレの後は、やたらとさっぱりした顔してた。
それってやっぱ、先生に触られて収まりつかなかったものを
自分で弄って抜いたってことだよな?』
「ぬおぉぉぉぉ!!」
俊也のメールを読んで、敦は腹の底から顔に似合わぬ野太い声を上げていた。
俊也の方にはただ「既読」の文字が付くだけの敦の反応。未だ、指は動いていない。
(キスの後で亀頭撫で……っ?!
もしも俊也の邪魔がなかったらそのまま理科室であの悪徳教師の手でイかされ……っ?! いや、マジ、想像したくない。邪魔した俊也GJ! んでもって、邪魔されたから章が自分で……!? 悪徳教師を思いながら……っ?! それはそれでマジヤバイ無理死ぬ!)
敦の知りうる、ありとあらゆる大人の世界が頭の中でひしめき合っていた。
(章のヤツぅ! 俺に内緒で、大人の階段一段ぬかしで駆け上がりやがって……!)
ウィンクして別れたと俊也が言っていたが「あーあ。邪魔が入っちゃった。続きはまた今度しようね」の意味だろうか。次こそ、二人は示し合わせてホテルにでも行き、不純同性交遊をイタしてしまうのだろうか。
(……って、その続きなんて、絶対にダメに決まっているだろ!)
心から叫び出しそうになった。
だが、そんなことを章に言っても無駄なこと。
何せ、章の行動原理は自分のやりたいこと。周りがとやかく言ってもダメなのだ。
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