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「で? 言ってもらえるの?
『俺には将之ってパーペキ(※1)王子様が居るから、お前なんか、豆腐の角に頭ぶつけて(※2)今流行りの悪役令嬢にでも転生(※3)して、そこら辺の草でも食ってろ(※4)』って」
古今東西のマイナスのパワーワードの羅列に
「お前、どうしてそこまで酷いことを」
心底、知己は呆れた。
「完膚なきまでに敦ちゃんを振って欲しい! 悲しい過去よ、さようなら! 僕に肉体的にも精神的にもバラ色の未来を! ジーク僕! ジーク僕!」
ついでに何かが乗り移ったかのような演説めいた発言に、知己は眩暈を覚えた。
(ん? 過去だと……?)
その時、知己は閃いた。
「章、お前ら家が近所だから幼稚園から高校まで一緒だったと言ってたな」
「そ、だよ」
「つまり、ずっと公立校に行ってたのか?」
「そ、だよー。母の見栄で幼稚園だけは私立に行ったけど……。あ、そこで敦ちゃんに会ったんだよね。その後はずーっと公立。ご近所だから同じ校区でしょ? 高校は、蓮様愛しさに一緒にここを選んだから」
「お前らみたいなボンボンは、私立校ばっかかと思っていた」
知己にとっては、偏見でもなんでもない。
将之がいい例だ。
転入学も多かったので、融通つけやすいというのもあったと思うが、礼も将之も私立校しか経験がない。
「うーん。実は、それも母の体面なんだよね」
「どういうことだ?」
「教育コメンテーターの息子が、お金のかかる私立校なんかに行ったら大変。『私立校しかいったことないくせに。公立校のことも分からないのに、何が教育コメンテーターだ』っていちゃもんのようなバッシングが雨嵐のように来るんだって。だから、僕は小学校からずっと公立校しか行かせてもらえなかったの。Do you understand?」
意地悪く言う章に
「やっぱり、そうか……」
と知己は確信を強めた。
※1パーペキ・・・「パーフェクトで完璧」の昭和の略語。章は、また昭和の映画を観ていたようです。
※2豆腐の角に頭をぶつけて・・・四角くて硬いものに頭ぶつけて死ぬことがコナ〇君やドラマでよくありますが、それでも豆腐の角に頭ぶつけて死ぬことはないはずです。そんなので死んじゃうほどの「迂闊者」って意味があるそうです。知らなかったけど、類語で「うどんで首吊って死ね」「自分の耳齧って死ね」もあるそうで・・・酷いわ(;・∀・)💦
※3悪役令嬢・・・私は昔からロザリアもレイチェルも好きでしたぞ。
※4そこら辺の草でも食ってろ・・・埼玉の方でさえそう言われるのなら、九州の私なんか、そこら辺の石や自分の耳でも齧ってろと言われちゃう(´;ω;`)💦
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