ゲーム 開始 8

8/9

242人が本棚に入れています
本棚に追加
/778ページ
「それが、事の真相(カラクリ)か」  と知己が訊けば 「そう。でも、先生(アンタ)は違ったけどな」  俊也が答えた。  続いて章も答える。 「ゲームする前から、なんか面白い切り替えししてくれてたし、ヒントも出してくれたし、妙な授業考えつくし、モルカー好きだし」  三日月の目になって、プププと笑いをこらえて言う章に 「モルカー、関係ねー!」  すかさず俊也が突っ込んだ。 「でも、ま、その……モルカー好きに悪い奴はいねえ……とは思うけど、な?」  俊也が、照れくさそうに言うと 「あははっ、何、それぇ!? あははっ、あははははー!」  こらえきれずに、章が爆笑した。 (章は元々分からない部分あるけど、あの俊也が?)  敦は目を疑った。  知己(教師)と並んで片付けを手伝うのも異常な姿だ。こんな風に懐くのを見たことがない。  ひとしきり笑い終わると章が俊也の所まで行き、 「だから情報漏洩したんだよね、俊ちゃん」  肩をぽんと叩いた。 「俺かーーーー?!」  叫ぶ俊也と同時に 「……っ! 俊也だったのかーーーー?!」  敦が目を剥いて叫んだ。 「違う! 敦、俺じゃない。信じてくれ!」  梅ノ木グループレストラン系列を任されている須々木家の俊也坊ちゃまが慌てていた。 「ところで章と敦の関係は?」  知己が素朴な疑問を口に出す。 「元・政治家のコメンテーターと地元の経済王。なんか関わりあると思う?」  章は質問で返した。 「微妙な表現、ヤメロ」  善良な一市民として、関わりないことを願いたい。 「とりあえず、前から家同士はかなり仲良しで、僕たちは幼馴染なんだよ」 「ア、ソウ」  これ、深く聞かない方がいい話だな……と知己は思った。 【裏話4コマ】 https://estar.jp/novels/25306033/viewer?page=332
/778ページ

最初のコメントを投稿しよう!

242人が本棚に入れています
本棚に追加