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調子に乗って、スマホで動画を見すぎちゃった。
川崎望美は住宅街の夜道を走りながら、今月のスマホ使用時間を後悔していた。
データ残量、残り500MB。
今日は14日で、あと半月をこの残量で過ごすのはあまりにキツかった。
両親が高校入学のお祝いにスマホを持たせてくれた。
それはとても嬉しかったのだが、望美のデータ通信の上限は、毎月3GBと決められている。
スマホを見すぎると勉強しなくなるからだそうだ。
全くもってその通りだと思うけれど、周りの子たちを見ると、外でも自由に音楽を聞いたりSNSに投稿したりしていて、羨ましいことこの上ない。
家にWiFiはあるけれど、母がパスワードを教えてくれない。
パソコンでネットをすれば通信量の節約になるけれど、家にはリビングにあるパソコン1台しかなかった。
次の誕生日は、ノートパソコンをねだろう。いや、それよりパスワードかな。
そんなことを考えながら走っていると、レンガ模様のコンビニの前にたどり着いた。
「ついた、WiFiの楽園」
安心感に顔が綻んだ
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