Hさんの野望

1/1
前へ
/7ページ
次へ

Hさんの野望

【蛍光】の一員となった私でしたが、自分のキャラクターを育てることをほとんどしていませんでした。そのため、入ったばかりの日の同盟戦で華々しく惨敗してしまいました。  しかし、順位等には特に何も言われないどこれか、同盟員のみなさんに励ましていただきました。  その後、無駄に貯めていたアイテムを使って自分のキャラクターを育成したのですが、思ったような成果をあげることはできませんでした。  私は、自分の強さについては(サービス終了に伴い課金アイテムの販売が終了していたこともあり)は仕方ないので、皆様の少しでも役に立ちたいと考え、当日ログイン出来なかった人のためにLINEチャットへ、当日の同盟戦と十番勝負(個人戦)のスクリーンショットを上げることにしました。  それはなかなかの好評であったようで、ゲーム内のチャットと合わせて盛り上げに一役買うことができました。  そして、気づけば季節は12月になり、いよいよカウントダウンが近づいてきた頃、Hさんが私にツイッターのDMで話しかけてきました。  聞けば、このギルドが存在したことを残すため、記念誌を作りたい。そのために、このゲームへのこだわりなどをメールで頂戴したいということでした。  私は一も二もなく承諾しました。他のメンバーも同様で、この同盟が存在したことが後々まで残るのなら、こんなにうれしいことはないと思いました。  また、忙しくてログイン時間が限られながらも、盟主として同盟の運営に携わったAさんにサプライズとして、同盟員からのオンライン寄せ書きを送りたいとの提案があり、これも了承しました。  ゲーム終了後もその記憶が残るなら、こんなにうれしいことはないと、私は思いました。  そのはずでした。  また、同盟員が十番勝負で好成績を収めた際はみなで祝福し、本当にこのゲームが終わるのかと思ったものでした。  しかし、12月21日、予定通りゲームは終わりを迎えました。  その日はたくさんの人達がこのゲームが終わったことを惜しんでいました。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加