tear

　暗くなった画面を見つめた。周りを見れば、わたし一人だった。当たり前、一人暮らしなんだから。静寂が満ちていて、ああわたしは一人なんだと、その事実を突きつけられる。当たり前のことなのに、それがこんなにもさみしい。
　さっきまでの会話が、嘘のように思えた。画面越しに見た優さんが、幻だったように思えた。あの時間が、夢だったように思えた。夢から醒めた今が現実なのだと、そう思った。
　視界がぼやけて、ポタリ、ポタリ、と何かがデスクをたたく音を聞きながら、わたしは言えなかった言葉を反芻した。

　「優さん、わたしがただの気まぐれでつきあおうって言ったと思ってる？」

　「そんなわけないよ」

　「優さん言ってたよね、好きでもないのに告白はないって。その通りだよ」

　「好きでもないのに、つきあおうなんて、言わないよ、わたしは」

　「わたしは、優さんが、」

　わたしの片想いは、この画面を越えられない。