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何度目かの春
心地よい春風が注ぐ中
大都会の駅近くにある大きな時計台の前で、心許せる唯一の相手を
待っている
「 ...ぁはぁ はぁはぁ」
「も~ 遅いよ」
「ごめん!寝坊しちゃった」
「前髪が崩れてるよ」
「マジか... なおった?」
「うん。そろそろ行こ、本当に遅刻しちゃう。それに、一限目国際英語なんでしょ?」
「そうだった、松田の授業だった、急がないと!!!」
春風が、歩いている二人の間を吹き抜ける。
「 ねぇ、本当に良かったの?」
「いいんだよ。これで。」
「寂しくないの?」
「あなたが言う?」
「うっ...」
「いいの?急がなくて?」
「あっ!そうだった!」
二人は小走りで走り出した。
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