ノイジー・マジョリティ&サイレント・マイノリティ

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 はあ、これだから無人店舗(むじんてんぽ)は。しょうがないから、72%カカオバーを()って、(あと)自販機(じはんき)でおしるこ(かん)でも()おうかな。そうすればちょっとはあずきチョコバーの(あじ)(ちか)づくかな?  72%チョコバーを()にとって会計(かいけい)しようとすると、またあの機械的(きかいてき)なインフォメーションの音声(おんせい)()こえてくる。 “購入(こうにゅう)(つづ)けるには、会員(かいいん)IDとパスワードを入力してログインして(くだ)さい。ログイン()にはお支払(しはら)方法(ほうほう)選択(せんたく)して(くだ)さい。カードでお支払(しはら)いする場合(ばあい)には、カード番号(ばんごう)とカードの有効期限(ゆうこうきげん)、3(けた)のセキュリティコードを入力(にゅうりょく)する必要(ひつよう)があります。”  ああ、こういうアナウンスも、すっかり自分(じぶん)仮想現実(バーチャルリアリティー)(なか)にいることを自覚(じかく)させてしまうんだよね。もともとオンラインショッピングをよりリアルに(たの)しむための工夫(くふう)が、現実(リアル)仮想(バーチャル)区別(くべつ)できなくなってしまうかもしれない、というノイジー・マジョリティ(こうるさいひとたち)(こえ)によってかき()されてしまった。それでも、あたしはこの(しず)かな空間(くうかん)()きなのだけれどね。  あ、しまった。購入(こうにゅう)ボタン()してから()づいてしまった。チョコレート(とど)くの、明後日(あさって)じゃん。はあ、せめて自販機(じはんき)でココアと、おしるこ。  あたしは1(いちばん)(ちか)くの自動販売機(じどうはんばいき)まで(ある)いたが、そこでも絶望感(ぜつぼうかん)(あじ)わってしまった。ココアのボタンには、赤字(あかじ)()()れ、の表示(ひょうじ)があり、おしるこに(いた)っては、どこにもその姿(すがた)がなかった。  (いま)どきおしるこ(かん)なんて()(ひと)(すく)ないか、ガク。
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