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人類が生誕するまでの間、栄えていた街があった。草木で覆われた森の奥に、ラフォレイスという街があった。種を超えた動物たちが住み、余生を過ごしていた。
だが、人類生誕とともに崩壊されてしまった。動物は、滅亡したと思われたが、取り残された動物がいた。子供の梟と鷲の混合種。子供の鳥は、必死で食料を探した。
母鳥は、既に息絶えていて
狩りをするのは自分でするしかない。
真夜中になると、飛び回り食料を探した。
子供の鳥は、次第に意識が朦朧として
息絶えてしまった。が…
「(?え、生きている!でも、ここ何処?変な四角い何かが見える。声も聴こえる。鳥?
仲間たちは生きているの?きっと、皆が待っている。行かなきゃ。でも、まだ今は夜じゃないし昼間だから、木を探して眠らなきゃ。
あの木、大きな穴が空いていてちょうどいい大きさ。住むのに最適。)
木の方向めがけ飛ぼうとした。
だが、身体が重すぎて飛べない。おまけに、羽がない。
「(え、飛べない。調子が悪いのかな。もう一回飛んでみよう。えいっ…。あれ?飛べない。うん…?これ、羽じゃない。5本の何か。もう、違う何かに変わってしまったのか。)」
その場で、項垂れた。かつての姿は、すっかりなくなってしまった。これから、どう生きていくべきか、大樹の下で座り込み考えた。
「(独りで、どう在ればいいのか。母さんも、皆もこの世界にはいない。ああ、何も無い…。)」
暫く時間が経つと、人の足音と話し声が聞こえた。
「洸晴、お前が鬼な。」
「はぁ…また鬼かよ。ここ、薄気味悪くね。幽霊、出そう。」
「何、微々ってんだよ。出るわけねぇだろ。」
「初めてだな、こんな場所に踏み入れたの。違うところで遊ばね?」
「弱虫だな。ここ広いから隠れても、絶対
見つからない自信あるわ。もし、俺らを見つけられたら、奢るよ。まぁ、無理だろうな。なんせ、広いからな。」
近くで、会話が聞こえてくる。どうやら、かくれんぼをするようだ。辺り一面、広大な面積の森。確実に、迷うだろう。少年たちは、お構いなしに隠れ始める。
「いーち、にー、さーん……………。もう、いいーかい。」
「まーだだよ。」
「もう、いいーかい。」
返答がなくなったので、洸晴は探しに行くことにした。
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