対談

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A:もう死んでしまいたいの。考えるのが嫌なの。これまで見ていたもの、聞いていたもの、全てある日に嫌気がさしたの。そしたら死んでしまいたくなった。感情の容量がゆっくり満たされていって、ある一線から全て嫌になったの。だから理由は一つじゃないし変わるとも思えない。色んなものの混合物がこの「死んでしまいたい」という気分というか姿勢なの。 B:なら死ねばいい。 A:いえ死んでるの。 B:君には自殺の才能は無いが一言で他人をイラつかせる才能がある。 A:説明不足だったら、謝る。 B:すぐに謝るのもイラつく。それは誠実なふりをしているだけで、相手のことを考えてしていることじゃない。思考停止の謙虚さを装った、関係性を拒む態度だ。 A:ごめん。 B:違う。言い返せ。 A:やめて。 B:ダメだ。言い返せ。 A:何を求めているの。 B:できるじゃないか。 A:こんなこと。あなたは私と話したいんじゃなく、欲しい答えを言ってくれる人、「イエス」と言ってくれる人と話したいんでしょ。 B:そうだよ。君には興味ない。けれども「イエス」と言ってくれるなら君に興味を抱ける。 A:思ってたよりずっと最低。まずテメーが死ね。私は自分が死ぬことより、テメーがくたばってくれた方がスッキリする。 テメーみたいな奴がいるから世の中の不愉快な方ばっかりがピックアップされるんだ。正解が一つしかないと思い込んでいるテメーが死ね。消えていなくなれ。 B:君が死ねば君の中の俺も死ぬ。だからさっさと死ねばいい。自殺すればいい。 A:つまらない、本当につまらない人。 B:いいよ、もう何も言わなくて。 A:ごめん。 B:いや、ダメだ。何か言い返せ。 A:ごめんごめん。 B:軽いやつじゃない!
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