対談

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僕らは2人で歩いた。トボトボ歩いた。昼間で暖かかった。初夏だった。2人とも暇だった。 A:暇だね。 B:暇だよ。 A:ずっと暇ならいいのに。 B:そんなこと……。 A:何だよ。 B:いや、自分は未熟だなーと。 A:それも何だよ。 B:本当は「そんなこと言ってたら君の生活はなりたたない。」そう言おうと した。でも途中で君が求めているのはそんな発言じゃないってことに気づいた。君が求めていないってことを途中で気づいて、その異変を君に悟られた、不安を覚えさせてしまった、そんな自分は未熟だなーと。 A:いや何だよ。 B:そういうことだよ。 A:素直になれよ、ばかやろー。 B:ばかやろー? A:そうしてゴチャゴチャ言うやつはばかやろーだ。 B:えーーはい。 A:何だよ。 B:ゴチャゴチャ言わなくした。 A:すぐ素直。 B:はい、素直。私、素直。 A:もっと喋れよ、このボンクラ。 B:ボンクラ? A:そうして人の言うことを無批判に鵜呑みするやつは世間知らずのボンクラだ。 B:えーーはい。私、私(ワタクシ)はボンクラではありません。なぜなら、なぜならこれは、この態度は優しさだからです。無批判というのは敢えてなので。そうした方が2人の会話が円滑に進みそうだと計算したからで、よって私、私(ワタクシ)はボンクラではありません。 A:はい、素直。かつボンクラ。 B:と、申し上げますと? A:敬語を使うな。 B:なんじゃいボケぇ。 A:はい、素直。 B:はい、素直。私、素直。
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