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途端にぷつり、と通話が切れた。切ったつもりはないのに、画面には『通話が終了しました』の文字が見えている。
「……え?」
通話が切れる直前のなるみの顔は恐怖に歪んでいるようにも見えた気がした。一瞬だったからわからない。
気味が悪い。だって、この家には私一人しかいないはずだ。どうしてもう一人いると思ったのだろう。
ひやりと寒気がして、肩をふるわせる。
息を呑んだ。そして、そっと後ろを振り向く。
背後のドアの隙間から、ぎょろりとした不気味な大きな目玉が、私をまっすぐに見つめていた。
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