第五話 誰かが肩を叩く。

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シャワーカーテンを閉めて、歯ブラシ、歯磨き粉を取り、頭をシャワーの下にもっていく。 頭からシャワーのお湯が流れ、肩へと落ちて、身体を通っていく。そうやって身体を温める。 硬くなった身体が温まり、血流がよくなっていくのがわかる。 いつもようにテレビはつけっぱなしにしてある。この時間は感染者数のニュースがほとんどだ。 髪を乾かし、ドンっとベッドに座った。目の前のテーブルにある、ノートパソコンを開いた。 その瞬間、左肩に トン と手が置かれた。 そして次の瞬間、右肩にも手が トントン と。数秒後だろうか、金縛りのように身体が動かない。 ふー っという、ため息が首筋に当たる。あいつが付いてきた。あの店からずっと一緒だったのだ。 その夜以来 トントン っと、肩が叩かれる。うちには肩が好きな何かがいる。
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