Kneel

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最近、"あの時"のことをよく思い出す。忘れたくても消えてくれない忌まわしい記憶。 ぼーっとすることも増えたし、何しろ眠ることができない。目を瞑るたび、反芻して蘇る鮮明な記憶。このままだと目にクマが出来そうだ。 ガヤガヤと休憩中に賑わう教室から出ようと席を立つ。扉まで差し掛かったところで後ろから声をかけられる。 「夏生くんどこ行くのー?」 振り返ればそこにはキャッキャと群れる女子生徒達。にっこりと微笑めば彼女達の頬はほんのりと赤く染まる。 「保健室」 「えー、サボり?」 「寝不足なの」 「私も寝に行こーかな」 「だめ。授業受けなよ」 「え、ずるーい」 「先生に言っといて」 ヒラヒラと手を振って背を向け教室を後にする。女子生徒達の声が僅かに聞こえたけど気にすることなく保健室を目指した。
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