1 私と彼の二度目の出会い

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***   澄んだ青空と太陽に見守られて、私は高校生になった。入学式を無難に過ごし、教室で愛想良くクラスメイトに話しかける。できるだけ、自分と匂いが似ているような子を探して、気さくに、元気よく。正直すごく怖いけど、私は変わるんだ。  メイクだって、少しきつめだけど明るい女の子受けするものを勉強したし。持ち物だって、今風を意識した。どこにでもいる、女の子になれるように頑張ったつもりだ。 「おはようっ、名前なんて言うの?」  目の前の席に座る、三つ編みメガネの女の子に声をかけた。彼女は私の好きな文庫本を手に持っていた。この子なら、仲良くなれる。しかもたぶん彼女は悪目立ちもしない気がするし。そう思ったから。だから私は即座に隣に座る。
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