1 私と彼の二度目の出会い

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「あたしはね、桜井アヤ子だよ! 貴女は?」 「琴美。和泉琴美だよ! 仲良くしてね。あのね! その本、私も好きなんだよ」 「へぇ、貴女も読書が好きなの?」 「うん、好き。ほかに趣味とかある?」 「ビーズかな。アクセサリーを作るのが好きなの」 「ビーズでアクセサリーまで作るんだ? すごい! 器用だね!」 「このヘアピンも手作りなの」  なんとなく得意げな気持ちになって、私はヘアピンを外して見せた。 「白いパールがキラキラで可愛いね」  目を輝かせながら、ほぉとため息をつくアヤ子ちゃん。私は自然と笑顔になる。 「前から使ってたヘアピン、なくしちゃったから……ね」
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