1 私と彼の二度目の出会い

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1 私と彼の二度目の出会い

ソレは、まるでボタンの掛け違いの様な些細なことから始まって。気がつけばソレはもっと明確な、直しようがない広い穴に育っていった。気がつけば私はその穴にすっぽり落ちて、誰かに助けを求めていた。けれど、自分でその穴をはい上がる力もなく、ただ叫んで、泣いて。惨めに布団に丸まって。気がつけば中学校へ行くのがおっくうになっていた。  そんな時にあの頃の夢を見た。 「君は、とっても優しいね。ボクは君が大好きだよ」 「空太(そらた)君」 「だけどねボクは――」  そこで、目が覚めた。
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