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第2話 幼馴染(馬鹿)との出会い
商人である両親は、様々な場所を巡りながら、商品を売りつけている。
その旅に同行していた僕は、とある小さな村で、友人の一人と出会ったのだった。
見るからに何も考えてなさそうな少年が話しかけてくる。
「なあ、お前商人の息子なんだよな」
「そうだが?」
「薬草って、売ってる?」
「売ってる」
「交換してくれよ」
と言って話しかけてきたそいつが、僕の友人一号だった。
木の実を出して薬草を交換しようとした馬鹿。
僕は呆れていた。
「そういうのはお小遣いをもらえるようになってから言え」
「でも、女の子が熱を出してるんだよ。薬が必要なんだ」
「その子の親が今頃お金を出して買ってるだろ」
「いま、いない」
「は?」
話を聞くと、その子の家は、村から離れたところにあるらしくて、今は遊びに来ているらしかった。
その最中に熱をだして、倒れてしまったのだという。
「仕方ないな」
ただでくれてやるわけにはいけない。
両親は、生活のために商売をしてているからだ。
だから僕は、薬がある場所を教えることにしたのだ。
地図を指示して。
「ここでなら、薬の元になる薬草がとれるぞ」
「遠い、仕方ないな。近くの森いくか」
でもその森、迷いの森とかいって有名な場所だったらしい。
結局僕は、迷子になったそいつを探しに行く羽目になった。
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