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おじさんはゴミの日になると早起きをする。各家の前に出ているゴミ袋をネットから出し、やぶいてまわる為だ。
家族からも近所の人からも怒られるも一向になおらない。おじさんはぼけているから忘れてしまうのだ。
おじさんが通った後にはカラスがやってくる。そして生ごみをあさり、ゴミをまき散らす。
実はおじさん、ボケてからひとつだけ思い出したことがある。それは前世がカラスだったということだ。しかも、餓死で死んだカラスなのだ。
カラスたちはおじさんたちに大層感謝し、リスペクトの意を込めて「カーカー」と鳴く。その声におじさんは「うるさい」とぼやく。いくら前世がカラスでも、カラス語は思い出せない。
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