01 私の名はヴィヨレ

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 って言うか、分からない方がおかしいか。恋やら愛やらには疎そうなイサークだがバレていた様だ。 「俺もヴィヨレとはペアだったしな。側にいれば誰を見てるかは分かる事だ」  そうだ。気がついたらイサークとペアで戦う事が多かった。すっかり私とイサークは戦でいつも一緒に行動していた。 「私のいた村ではね、女剣士は毛嫌いされるばかりで。淡い恋心を抱ける相手なんていなかったのよ」  田舎だからそういう傾向があるのは仕方ないけれども。私だって剣士という仕事はとても好きだし誇りに思っている。  男に免疫のない私の村に突然やって来た勇者ルカのパーティー。恐ろしく整った顔のルカ。その上優しかったりしたら、無条件で惚れるしかないでしょ? 「ヴィヨレも二十歳か。若いな……そりゃ、ルカの様な若い男がいいよな」  何故かイサークが肩を落として溜め息をついた。  何故イサークが落ち込むのよ。  イサークは私より一回り歳がはなれている。ずっと年上だけどイサークもルカに負けじと劣らずモテモテじゃない。そもそも私達のパーティーは何故か男性はイケメンが多い。勇者ルカのパワーかしら。
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