01 私の名はヴィヨレ

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 ルカ達と一緒に冒険をした先々で、仲間の男性に必ず恋に落ちる女性達がいた。その度に一緒に行動していた私が目の敵にされるのだ。他にもパーティー内には女性がいるのに見た目が派手だったし、うん……ビキニアーマーだし。誤解されやすいのよね。  イサークも三十過ぎなのに男前だ。東の国の人間は老いを知らないのだろうか? とても一回りはなれているとは思えない見た目だった。  寡黙で引き締まった体つきのイサーク。見事な逆三角形の上半身を冒険先の温泉つきの宿屋で見た事がある。  仲間内で筋肉の話をしているのを聞いた事があるけれども、あまり筋肉をつけすぎると細かい動きに支障があるから困るとか何とか。その度に「若くないからな」とイサークは言っていた様な気がする。いや、若さとか筋肉とかそういう問題ではないのよ。 「別に若いとか若くないとか気にしないわよ」  その私の言葉にイサークは顔を上げてギラギラとした視線を私に寄越した。 「そうなのか? それならそうと早く言え」 「え?」  気がつくと私はベッドの上に倒され、イサークが馬乗りになっていた。  ◇◆◇ 「な、何を急に?」
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