01 私の名はヴィヨレ

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 私はイサークに押し倒され、ベッドの上でビキニアーマーをつけたまま大の字になっていた。私を押し倒したイサークは私のお腹のあたりをまたいでいた。座り込んではいないがイサークの太ももでがっちりと私の腰を挟んでいた。  イサークの黒い瞳がギラギラと光る。冒険してきた森の闇に潜んでいる、しなやかな黒豹の様だ。イサークは両手を私の顔の横につけて私の顔を覗き込む。  よく観察するとイサークの首や腕などに沢山の傷がある。いくつもの死線を乗り越えてきた証し。さっきは怒りで血管が浮き出ていたこめかみから、瞳を見つめる。  イサークと視線が合うと掠れた声が聞こえた。 「俺にしておけ」 「え?」  俺にしておけ──とは? 私は首を傾げる。 「ルカなんてガキは止めて俺にしておけ」  黒くて闇の様な瞳に熱がこもっているのが分かった。イサークに睨まれた敵は思わず動きを止める時があるけれども、今まさに私がそうなっていた。 「え、俺って……イサーク? んっ!」  まさか、それって。と、思った瞬間イサークが首を傾けて私の唇を奪った。
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