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私はイサークに押し倒され、ベッドの上でビキニアーマーをつけたまま大の字になっていた。私を押し倒したイサークは私のお腹のあたりをまたいでいた。座り込んではいないがイサークの太ももでがっちりと私の腰を挟んでいた。
イサークの黒い瞳がギラギラと光る。冒険してきた森の闇に潜んでいる、しなやかな黒豹の様だ。イサークは両手を私の顔の横につけて私の顔を覗き込む。
よく観察するとイサークの首や腕などに沢山の傷がある。いくつもの死線を乗り越えてきた証し。さっきは怒りで血管が浮き出ていたこめかみから、瞳を見つめる。
イサークと視線が合うと掠れた声が聞こえた。
「俺にしておけ」
「え?」
俺にしておけ──とは? 私は首を傾げる。
「ルカなんてガキは止めて俺にしておけ」
黒くて闇の様な瞳に熱がこもっているのが分かった。イサークに睨まれた敵は思わず動きを止める時があるけれども、今まさに私がそうなっていた。
「え、俺って……イサーク? んっ!」
まさか、それって。と、思った瞬間イサークが首を傾けて私の唇を奪った。
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